航空・宇宙部門の技術士になるには? [AD]
技術士は国家資格ですが、実は21もの部門(総合技術監理部門も含む)に分かれています。
その中の1つ、航空・宇宙部門は近年多く報道のある様々な宇宙関係のニュースなどからも注目されており、航空機やロケットの設計、製造に興味があり、そのような仕事をしたい、宇宙関連の仕事に就きたい、そのような職に就いているが更に重要な役目を担いたいといった人向けの資格です。
この航空・宇宙部門の技術士になるには、まず一次試験を受験しなくてはいけません。これは部門による専門科目以外は各部門共通となっており、ここで合格すると、次は二次試験へと進めます。
ですが、そのまま二次試験を受けられるというものでもなく、一次試験に合格した上で4~10年間(業務の内容によります)技術士の補助業務や指導業務などを行う必要があります。それをクリアした認定を受けると、晴れて二次試験を受験することができます。
一次試験には専門科目があります
一次試験は3つの科目に分かれており、そのうちの基礎科目、適性科目の2つは先のように部門に関わらず共通の内容ですが、3つ目の専門科目が航空・宇宙部門の場合、航空・宇宙(機体システム、航行援助施設、宇宙環境利用)となっています。この航空・宇宙は二次試験にも出題される科目で、それとは内容は違うものの、この分野の専門知識が問われます。
一次試験は受験資格というものは特になく、年齢や性別、学歴などに関係なく誰でも受験することができます。内容は筆記試験で、全ての部門を通して技術士としての知識を問われる問題が出題されます。
合格率は毎年40%程度で、この数字だけを見るとそれほど難しくもないと考えてしまうかも知れませんが、きちんと試験を受ける為の勉強を重ねてきた人の中での数字なので、決して簡単なものでもありません。
二次試験には選択科目があります
二次試験では航空・宇宙一般の科目試験の他に、機体システム、航行援助施設、宇宙環境利用の中から一科目を選択して受験します。一次試験とは違って全て航空・宇宙専門の試験となり、一次試験は筆記試験だけでしたが、この二次試験には論文の提出、口頭試験といったものもあり、後者は記述ではなく、口頭で出題された問題に対し、その回答の内容だけでなく、人にうまく説明できるかといったスキルも問われます。
この試験に合格すると、航空・宇宙部門の技術士として登録することができます。
尚、一次試験を合格した時点で技術士補という資格を得られており、その資格がないと就くことができない仕事も多数存在します。二次試験を受ける為に必要になる各種の仕事もほとんどがこの資格がないと就くことができません。
二次試験の合格率は、10%強となっています。一次試験を合格し、その上で4年以上専門的な職業に就き、それから受験する人でこの数字なので、合格するのはかなり難しいことが分かります。その為、宇宙関連の仕事に付いている技術者でも、技術士補の資格で働いているという場合も多いです。
難関ではありますが…
このように、航空・宇宙部門の技術士の資格を取得するにはかなりの年数が掛かり、大変な努力が必要になります。よって、最初から諦めてしまう人も少なくありませんが、一次試験には受験資格がなく、何度でも受験することができるので、まずはそれに合格して技術士補になることを目指してみましょう。
これらの資格がないと宇宙関連の仕事に就くことができない訳ではありませんが、持っているのと無いのでは就ける仕事の内容や待遇などが異なるのは言うまでもなく、より宇宙に近付くことができるのがこの資格の魅力です。
技術士の分野には船舶・海洋部門や環境部門など、比較的身近な対象を専門とする部門が多いですが、航空・宇宙部門はその中でも一番夢のある部門だと言えるかも知れません。